会員便り

2020年11月05日 信州上田四季彩祭

信州上田四季彩祭 その18  「信州りんご」

今年は上田城跡公園の満開の桜も心から楽しめず、祇園祭や千曲川花火大なども中止になり、コロナ禍と向き合いながら過ごす日々ですが、それでも季節はいつものように移り変わり、信州上田にも実りの秋が訪れました。
上田の秋の味覚は何といっても「松茸」ですが、庶民にはまだまだ高嶺の花です。
信州に暮らしてやはり嬉しいのは豊かな農産物です。高原野菜、米、キノコ、そして柿やブドウ、リンゴなど果物も豊富です。

今を去る??年前、大阪市内の高校の修学旅行は「信州長野」でした。
生徒にアンケートを取ったところ九州を破って圧倒的多数で信州旅行に決まったのです。
初めて見る白樺林の美しかったこと。霧に包まれた幻想的な風景を車窓から眺めながら「また絶対来ようね」と友人たちと誓い合ったものですが、その信州で暮らすことになるとは・・・
そして修学旅行のおみやげは何といっても「信州りんご」。 ほぼ全員がりんごの籠をぶら下げて帰ったことが懐かしく思い出されます。

そのりんごも今では種類も豊富で紅玉、秋映え、サンつがる、シナノゴールド、シナノスイート,王林、シナノドルチェ、ゴールデンデリシャス、シナノレッドなどなど。
そんな中で変わらぬ人気NO.1は“ふじ”ですね。
先日上田市塩田の果樹農家にお邪魔しましたら「うちのおじいちゃんがね、青森から“ふじ”の苗木を夜行列車で持ち帰って、長野で初めて“ふじ”を栽培したんだよ」とのこと。
「信州で栽培されている“ふじ”は上田から始まったのだ」と驚きました。
それから何十年の年月を経て今や贈答りんごと言えば“ふじ”となったのです。

上田は全国的にも雨が少なく昼夜の寒暖の差が大きいことから美味しいりんごが育ちます。
以前友人の果樹農家で摘果や葉摘み(リンゴに太陽があたって美味しくなるように周りの葉を取り除きます)などのお手伝い?をさせて頂いたことがあります
りんご畑に居るだけで感動していた私は「嬉しい。幸せ。風が気持ちいい、畑で飲むお茶は最高」などを連発。友人からは「あなたはたまに来るからいいのよ」と笑われました。
そうです。農家の皆さんは雨の日も風の日も、猛暑の夏も冬の寒い日もその時期に手を掛けなければならない作業があるのです。
時には自然災害と向き合い、気持ちも折れそうになりながらの作業があって、あの「信州りんご」が育つのですね。

上田では大河ドラマ「真田丸」の放送に合わせて発売された「真田REDアップル」という「信州上田産のブランドりんご」を更にPRしようと取り組みが行われています。
「千秋」と「つがる」の組み合わせで誕生した“秋映”には『昌幸』 「ふじ」と「つがる」の組み合わせで誕生した“シナノスイート”には『幸村』そして“ふじ”には『信之』と名付けられていまして、「甘みと酸味の絶妙のバランス、芳醇な香り、滴るほどの果汁。真田一族の魂を受け継ぐ信州上田の百匠が、真田の郷で丹精込めて作り上げた逸品をお楽しみください」というのがJA信州うえだのPRコメントです。
上田地域の直売所にはこれらのリンゴがそれぞれの収穫期に合わせて並んでいますので、上田に来られた際には是非「真田REDアップル」を味わってみてください。因みにこれからは「ふじ」が店頭に並びます。

また東京銀座すずらん通りには長野県情報発信拠点「銀座NAGANO」が6年前にオープンしました。そこでは長野県産の伝統工芸や加工食品、日本酒などと共に日替わりで長野県各地の「りんご」も販売されていますので、銀座で「信州の秋」を堪能するのも良いのではないでしょうか。(小林良子 47文)