会員便り

2019年06月09日 信州上田四季彩祭

信州上田四季彩祭 その13 「羽ばたく会」

  「羽ばたく会」という名前がどのようにして付いたのかは定かではないのですが「いくつになっても若々しく羽ばたこうね」と卒業を控えた頃、会話の盛り上がりから生まれた名前だったように思います。
その頃は古希を迎える歳になろうとは想像もしていなかったのですが・・・

甲南大学に通っていた若かりし頃、それはそれは可愛らしい女学生だったころは、勉学に?クラブ活動に全てが楽しい日々でした。
甲南大学の伸びやかな環境のキャンパスでは誰もが気軽に繋がれる和やかな雰囲気がありました。同じ語学のクラスの友人の輪にクラブ活動の友人が加わり、そこにまた新たな友人を巻き込み・・・といった具合に、何とも不思議な出会いで生まれた「羽ばたく会」は卒業後50年が経とうとする今も8人の仲間が学生時代そのままに若々しく繋がっています。(少なくとも本人たちはそう思っています)

大学卒業後は其々、結婚、育児と忙しい日々でしたが、子供たちが漸くお留守番をできるようになった頃から「羽ばたく会」の旅行が始まりました。
大阪 神戸 京都在住の関西組が4人。横浜 鎌倉 東京 長野在住の関東組が4人。

初めての旅行は久しぶりの再会だったため、噴水が空に向かって一気に噴き出すような勢いで喋り続けていました。今はその勢いは少し衰えたものの、楽しいお喋りは変わることはありません。

それ以来毎年関西組と関東組が交互に計画を立て、毎回全員が参加できるわけではないのですが「羽ばたく会」の旅行は続いてきました。
数年前「羽ばたく会御一行様」が信州上田にやって来たことがありました。

上田駅では早速関西のおばさん根性を発揮してタクシー運転手と交渉。
低料金でいざ出陣! 

塩田の前山寺(ぜんさんじ)で名物「胡桃おはぎ」を味わい、北向き観音の鐘の音を聞きながら温泉宿で寛ぎ、信州の鎌倉と呼ばれるお寺巡りをした後は、別所線に乗って長閑なローカル線の車窓から田園風景を眺めながら上田城へ。

池波正太郎が度々訪れたという「刀屋」のお蕎麦を食べてお腹も心も満たされて、別れを惜しみながら関西、関東へと帰って行きました。

因みに塩田の前山寺には「未完成の完成の塔」と呼ばれる国の重要文化財指定の三重の塔があります。境内には美しい花々が咲き「花の寺」とも呼ばれていまして、春は梅や福寿草に始まり、カタクリ、桜、牡丹などなど。これからは紫陽花、秋には見事な紅葉が迎えてくれます。

前山寺の「胡桃おはぎ」は人気があり、粒が残るくらいに挽いたタレはゆるめで、何とも上品な味です。庫裏のお座敷で頂けるのも嬉しいです。

また池波正太郎が上田を訪れる度に立ち寄ったという「刀屋」のお蕎麦は量がとても多くて、普通盛りでも食べきれないほどです。私たちが普通盛りを注文すると「量が多いですが大丈夫ですか?」とお店の方が声をかけてくださいました。
池波正太郎が愛した「もり蕎麦」を始め、味噌だれの「真田そば」や胡桃だれの「胡桃そば」も人気です。
刀屋から歩いて5分ほどのところに「池波正太郎真田太平記館」がありますので、お蕎麦を食べてゆっくり街歩きも良いかも知れません。

そして今年の「羽ばたく会」は京都集合でした。新緑の美しい5月の京都を散策し、迎賓館を見学して古都の魅力を満喫しながら、やはりメインはおしゃべり。

ただ以前は夜中の1時2時まで話が尽きないこともあったのですが、最近は皆さっさと眠りにつきます。最近は食べられる量も少なくなったと嘆いているものの、美味しいお料理を頂きながらお喋りが弾んでいる限り「はばたく会」は健在です。    (小林良子 S47文)