「紅葉・黄葉・褐葉」紀行
晩秋を彩る景色の風物詩は、なんと言っても「も・み・じ」です。
春に芽吹き、光合成を繰りかえして樹木の成長という役割を終えた広葉樹の「葉っぱ」は、冬の訪れを前に美しい 「紅」「黄」「褐」色の化粧をしてパラパラと冷たい風や雨に舞って散ってゆきます。
日本列島のもみじ前線は、北海道「大雪山系旭岳」から始まり、山や里の風景を染めて九州地方へと南下して行きます。
紅葉の観光名所では、ライトアップをして真夜中の紅葉狩りを楽しませてくれる趣向をこらしています。
●「こうよう」という色の種類と樹木名は、つぎのように分類することができます。
・紅葉⇒〔(モミジ・カエデ)(ツツジ)(ナナカマド)〕など
・黄葉⇒〔(イチョウ)(シラカンバ)(ポプラ、ヤナギ)〕など
・褐葉⇒〔(ケヤキ)(トチノキ)(ブナ、ミズナラ、カシワ)〕など
●もみじのうた
・和歌
「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川
からくれなゐ(唐紅)に 水くくるとは」〔在原業平〕
「奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の
声聞くときぞ 秋はかなしき」〔(古今集〕
(鹿の肉を「もみじ」と云います)
・俳句
「行く秋を 綺麗にそめし 紅葉哉」〔正岡子規〕
「山暮れて 紅葉の朱を 奪ひけり」〔与謝蕪村〕
・唱歌
「秋の夕日に 照る山もみじ 濃いもうすいも 数ある中に
松をいろどるかえでやつたは 山のふ もとの すそ模様」
〔高野辰之作詩、岡野貞一作曲〕
●紅葉を訪ねる・・・
首都圏から日帰りで行くとしたら「もみじ谷大吊橋(本州一全長320m)」(那須塩原市関谷)は如何でしょうか。
11月上旬~中旬頃が見頃とのことです。
交通:電車⇒JR宇都宮線「西那須野駅」から、JRバスで約30分
〔東京駅から約3時間15分〕
マイカー⇒東北自動車道「西那須野塩原IC」から、国道400号を約8Km
●「もみじまんじゅう」
広島は「安芸の宮島」発祥の「もみじまんじゅう」は、紅葉の葉の形をした和菓子の1つです。
広島を訪れた旅人は、広島名物のお土産の好適品として、一度は買い求めた経験があるのではないでしょうか。
今日では、中味の餡が多種多様となり、また「生もみじまんじゅう」なる商品も売られています。
〔記、神門(S39年理)〕