「冬・雪」紀行 (最終回)
暦のうえでは、立冬から立春の前日(節分)までが冬になります。
しかし、冬の季節の訪れを知るのは標高の高い山に初めて降る「初冠雪」ではないでしょうか・・・。
今冬は、昨年9月29日に「大雪山系旭岳」から初冠雪の便りが届き、10月7日には北海道稚内市に初雪が降りました。(平年より15日、昨年より18日も早い)都心では11月24日に11月としては54年ぶりの雪が降り、観測史上初めてとなる積雪になりました。
そして、冬の季節は、「霜が降りる」「雪が降る」「氷が張る」に従って寒さが厳しくなって行きます。
都会人は、大雪が降って交通機関が混乱した時には雪の影響力や脅威を憶えますが、山里や豪雪地域で雪に閉ざされた生活をしている人々に取っては、雪が生活の一部に溶け込んだ暮らしを送ることになります。
しかし、どんなに厳しい冬でも、やがてそのひとつ先には人の心をホッとさせてくれる春が巡ってきます。人は、そのとき「日本の四季」の美しさや恵を、わが身の中に感じるのではないでしようか。
●正月3が日の行事
日本の新年・正月は、冬の真っただ中で迎えることになります。
・元日の早朝「初日の出」を拝み、初日に照らされた「赤富士」を愛で、「お屠蘇」「お雑煮」「おせち料理」で新年を祝い、近くの氏神さまや神社仏閣への初詣でをして今年1年の家族の健康と平安を祈ります。
・2日、「初夢」「書き初め」「初釜」「初荷」「初売り・買い初め」「仕事始め」など、新年になって最初の行事とともに人の営みが始まります。
・2日・3日、大学箱根駅伝「東京大手町~箱根芦ノ湖間、往復10区間217.1km」を210名の選手たちが走り抜けます。(今年は青山学院大学が総合優勝を果たし3連覇を達成)
・3日、「ライスボウル(アメリカンフットボウル)」大学生王者と社会人代表の日本一決戦(今年は富士通30対13関学) そして、寒の入「小寒」から「大寒」が過ぎ「節分」までは、厳しい寒さが極まって行くことになります。
●冬の季語
「冬日」と「真冬日」
夏に夏日、真夏日があるように、冬には冬日と真冬日があります。
・冬 日・・・最低気温が「0℃未満」になった日
・真冬日・・・最高気温が「0℃未満」になった日
●冬から春を待つ季語
厳しい冬ほど春が待ち遠しいものです。温かい春のいぶきを感じることのできる言葉を拾ってみました。
「日脚伸びる」「小春日和」「若水」「東風」「寒梅」「鶯の初音」「春一番」「三寒四温」「立春」「蕗の薹」
●冬の観光行事
①亀戸天神の鷽替え神事
1月24日(火)―25日(水)/JR総武線「亀戸駅下車、徒歩約15分」
②奈良若草山の山焼き
1月27日(土)18:15に花火の打上げ→18:30に点火
③節 分
2月3日(金)立春の前日。各地の神社仏閣では魔除の豆まきが行われます。
④さつぽろ雪まつり
2月6日(月)―12日(日)/大通り公園(昨年の来場者数260万9千人)
⑤横手のかまくら
2月15日(水)―16日(木)18:00-21:00
横手公園他3カ所(昨年の来場者数47万人)
●おわりに
一年にわたって、春「さくら紀行」、夏「山・川・海紀行」、秋「もみじ紀行」と綴ってきました。この「冬・雪紀行」をもって休憩とさせていただきます。ありがとうございました。 〔記、神門(S39年理)〕
(2016.10.05 更新)