会員便り

2017年05月03日 メープル便り

◆カナダ・メープル便り その8

今回はバンクーバーにある世界でもトップクラスの大学と日本の関係を紹介したいと思います。
ブリティッシュ・コロンビア大学は1908年に設立された州立の総合大学です。学部生、院生の総計は約5万人で、カナダ西部最大の大学です。ここには日本からも多くの留学生が勉学に励んでおり、甲南からも留学生がUBCで学んでいると思います。現在Dr. Santa Ono が日系人でUBCの長い歴史上初めてUBCの学長となりました。

日本とのつながりを示す公園が大きな構内(402ヘクタール)にあります。日本でお札にもなった新渡戸稲造博士(1862-1933)の功績を称えた新渡戸記念庭園がUBCアジアンセンターのすぐ横にあります。新渡戸博士が英語で書かれた著書、【武士道】はこちらでも有名です。1933年にバンフで太平洋問題調査会が開催された後、ビクトリアで客死した新渡戸稲造博士を記念した庭園の面積は約1ヘクタールあります。日本庭園の造園は、ブリティッシュ・コロンビア大学庭園委員会によって決定され、1959年から1960年に造園されました。設計施工にあたったのは、日本国外で多くの日本庭園を手掛けていた森観之助元千葉園芸学校教授です。この庭園は、1960年に急逝した森が設計した最後の作品となりました。私はなぜUBCが新渡戸博士を顕彰したのか、その辺の理由が良く分からないのですが、国際連盟事務次官として人種差別に反対したこととかが認められたのかもしれません。または太平洋の架け橋になると言っていたことが認められたのかもしれません。【UBCの知り合いの教授に尋ねたら、やはり日本と北米を結ぶことに寄与したことが認められたようです。】
2009年7月には今上天皇と皇后が訪れて、学生や関係者と歓談されました。
おそらく多くの日本の人はBC州内にある一大学と日本の結びつきがこんなにあるとはご存じないと思いますが、もしバンクーバーにお越しになる機会があるのなら、ぜひ、ぜひ一度訪れてみてください。下の写真は入り口と庭園内です。右横はUBCの地図です。その広さがよく分かります。

(宮内隆良 S53経)
日本航空 バンクーバー支店 営業部 担当部長