会員便り

2017年12月14日 メープル便り

カナダ・メープル便り その15

カナダと聞いて、皆さんは何を思い浮かべますか?今回私が皆さんに紹介したいものはメープルシロップです。
この便りの原題になっているカナダを代表する木、砂糖楓の葉はカナダの国旗のデザインにもなっています。

厳密に言うとこれは北米の北東部の地域で、砂糖楓の木から取れる樹液が原料なのですね。栄養価も高く血糖値が気になる方も少しぐらいは良いのではないかと思います。カナダではケベック州がメープルシロップの産地として有名です。もちろんオンタリオ州でも取れます。収穫時期は2月から3月の寒い時期です。
作り方は至って簡単です。木の幹に傷を付け、そこから染み出してくる樹液を集めて、それを煮込んで、水分を飛ばすことにより甘味を増し、それが商品として瓶詰めされて、それが商品として店先に置かれるということです。大まかな生産工程は下の図をご参照ください。


樹液からは煮詰め方によって、シロップ以外にバター、タフィーやメイプルの砂糖が作られます。お土産やさんではメープルシロップのチョコレートやクッキー、それにメープルシロップフレーバーのコーヒーなんかが、シロップ以外の商品でよく出ています。

この写真はごく普通に樹液を採取しているものです。ゴムの木からゴムを採取するのとまったく同じです。

これがもう少し大きなメープル・シロップ農園での採集になると写真のように木の幹に蛇口を直接取り付けてそこから採集タンクに集めるように整備されます。直径8インチに満たないものからは樹液の採取が禁止されています。大きな幹になるとシーズン中に2回くらいは樹液が採取できます。
若い細い木は8インチあっても一回ぐらいの採取しかできません。これはメープルの木の成長を阻害しないための規則です。


採集された樹液はシュガーハウスに移され其処でぐつぐつと煮込まれて水分を飛ばし、甘みを増して行くのです。どれぐらい煮込むかと言うと、40リットルの樹液が1リットルになるくらい煮込むのです。これであの美味しいメープルシロップができるのです。メープルシロップには薄い色のシロップと茶色の濃いシロップがありますが、これはシーズン最初の頃に取られた樹液は糖分が多く、煮込みにかける時間が少なくてすむので、色が薄くなるのです。シーズンが終わりに近くなると樹液の中の糖分が少なくなるので煮込みにかける時間が多くなり、それで色が濃くなってくるのです。このように手間がかかるのでメープルシロップは少し価格が高めです。

ここで一点注意、よくメープルシロップとして売られているホットケーキシロップはコーンシロップから作られたものなので、これはメープルシロップではありません。だから値段も安いのですよ。
美味しくて健康にも良いカナダ産のメープルシロップをお土産にいかがですか?

日本航空 バンクーバー支店 営業部 担当部長(宮内隆良 S53経)