会員便り

2018年02月16日 信州上田四季彩祭

信州上田四季彩祭 その2 「別所温泉外湯めぐり」と「肉うどん」

今年の冬は関東地方でも随分雪と寒さに悩まされているようですが、ここ上田の冬も寒く、冬眠する動物たちを羨ましく思うこともあります。
それでも上田は雪も少なく市街地ではシーズンに雪かきをするのは数回ですし、晴天率も高いので、どちらかというと住みやすいところです。

そんな上田には寒い冬だからこそ味わえる楽しみもあります。

特に温かな温泉が身近にあるのは何といっても嬉しいです。
周辺には500円程で入れる日帰り温泉がいくつもあって、お年寄りや障害のある方もゆっくり入れる福祉風呂が備わった日帰り温泉も沢山あります。

その中でも信州最古の温泉と言われる「別所温泉」は信州の鎌倉と呼ばれ、県内外からも多くの人が訪れます。

それぞれの旅館には特色があり、上田市内から武家屋敷を移築した貴賓室「桜御殿」のある旅館「花屋」、北向き観音のすぐ隣にあって境内からの鐘の音が聞こえる「かしわや本店」、真田氏に興味のある人は何といっても「上松屋」といった感じです。

北向き観音、常楽寺、安楽寺、前山寺(ぜんさんじ)などのお寺巡りをして、旅館でゆっくり温泉に浸かるのもいいのですが、別所温泉の外湯巡りもお勧めです。

「石湯」は天然の岩間をそのまま浴槽にしていて、戦国時代真田一族が傷を癒したとのことで最近では県外からも訪れる人が増えています。
池波正太郎の作品「真田太平記」の中で真田幸村が女忍者お江と入ったのもこの石湯となっています。ちなみに入口左側の石碑「真田幸村公隠しの湯 石湯」の文字は池波正太郎の筆によるものです。
私が行った平日の午後、偶然他には誰も入っていませんでしたので、一人でゆっくり幸村の時代に思いを巡らしながら温まることができました。

温泉街には木曽義仲ゆかりの温泉で吉川英治の「新平家物語」にも登場する「大湯」(おおゆ)。
慈覚大師が入浴したことから名がついたと言われる「大師湯」もあり、なんとそれぞれ入浴料が150円なのです(旅館に宿泊すれば無料券がもらえます) 
朝6時から夜10時まで営業していますので、歴史に思いを馳せながら入ってみるのも良いのではないでしょうか?

別所温泉駅のすぐ傍には露天風呂や岩盤浴、休憩処もある日帰り温泉施設「あいそめの湯」があり、こちらは入館料500円で一日ゆっくり過ごせます。

温泉に入ってお腹が空くと「肉うどん」などはいかがでしょうか。

なんと上田では肉うどんの肉は「馬肉」だったそうです。
他県でも各地に馬肉文化があると聞いたことがあるのですが、上田でも古くから馬肉を食べていたようです。
少し年配の方にお聞きすると「肉うどんは当然馬肉だよ」とのこと。
今では馬肉うどんを食べられるお店は少なくなってしまいましたが、石湯のすぐ向かいにある「日野出食堂」では馬刺しや馬肉うどんが食べられます。
少し濃い目の味付けですが、これがおいしくて私は汁まで飲み干してしまいました。
馬肉うどんは上田駅から歩いて2-3分のところにある「中村屋」も人気があります。

別所温泉へは北陸新幹線上田駅から上田電鉄別所線でおよそ30分です。別所線の小さな無人駅は映画のロケに使われることも多いのですよ。

トコトコ トコトコ 冬風景を眺めながらローカル線に乗って、のんびり別所温泉を訪れてみてください。
(小林良子 S47文)