会員便り

2018年07月13日 信州上田四季彩祭

信州上田四季彩祭 その6 「清里フィールドバレエ」

上田にも夏祭りの季節がやってきました。

7月21日は祇園祭、28日は市民祭り「上田わっしょい」、8月5日は信州うえだ大花火大会などの他各地域の夏祭りもあって、活気溢れる季節です。

今回はそんな上田を離れて、清里萌木の村の「フィールドバレエ」をご紹介します。

 

もう20年近く毎年4月から9月末まで信越放送のラジオ番組「ぷらっとほーむ小海線」の取材でJR小海線沿線を訪れています。

その中で出会ったのが「清里フィールドバレエ」です。

 

 

 

 

 

 

フィールドバレエは清里萌木の村の自然の中に造られた野外ステージで演じられますので、雨の日には公演はキャンセルになってしまいますが、晴れた日は満天の星、月、高原の霧が野外ステージならではの演出を醸し出してくれます。

ステージも客席も天候のリスクがあるからこそ晴れた時の感動は倍増するのです。

ある時は、土砂降りの雨が開演時間ぎりぎりに上がり、スタッフがステージをモッブで拭いて公演が始まりました。またある時は満天の星と美しい月。ほんの一瞬会場のすべてのライトが落とされると歓声と大きな拍手が沸き起こりました。

高原の霧に包まれた「ジゼル」や「白鳥の湖」は野外ステージならではの幻想的な美しさです。

 

 

 

 

 

 

清里萌木の村は標高1230Mですので、ダンサーの皆さんは酸欠になることもあって舞台裏には酸素も用意されているのだそうです

いろんなリスクもありますが、清里でしか味わえない感動があります。

今年のフィールドバレエは7月28日(土)から8月12日(日)まで開かれ、演目は「ジゼル」「ドン・キホーテ」そしてボリショイバレエ団のプリンシパルを務め、今はジョージア国立バレエ団の芸術監督を務める「ニーナ・アナ二アシヴィリのスペシャルガラ」が日替わりで上演されます。

クラッシックバレエの公演を観たことがないという人も、ここでは地ビールを飲みながら、ホットドッグを食べながら気軽に楽しめます。

ただ晴れることを願うばかりですが・・・・・

 

雨でバレエ公演がキャンセルになっても、気持ちを切り替えて楽しめるスポットが萌木の村にはたくさんあります。

手作り雑貨の可愛いお店やカフェ、メリーゴーランド。

そしてオルゴール博物館「ホールオブホールズ」にはパリ万博のためにフランス政府の依頼で制作されたリモネール1900など世界の珍しい自動演奏楽器が展示されていまして、ピアノ、マリンバと自動演奏楽器の共演も行われています。

 

 

 

 

 

 

またNHKの番組「プロフェッショナル」に出演したガーデンデザイナーのポール・スミザーさんが手がける山野草のお庭を散策するのも爽やかな気持ちにさせてくれます。自然の生態系に配慮したお庭で八ヶ岳の草花が伸び伸びと高原の風に揺れています。

 

お庭を散策した後は、ブルーパブレストラン「ロック」で名物ロックカレーとインターナショナルビアカップのWeissBee部門で世界一に輝いたクラフトビール「タッチダウン」で一息つくのもお薦めです。

 

 

 

 

 

 

そしてフィ―ルドバレエを主催するのが萌木の村社長の舩木上次さんです。

 

 

 

 

 

 

この人が何とも魅力的で、観光庁の「観光カリスマ百選」の一人にも選ばれています。

清里に生まれ、子供のころから清里の父と言われるポール・ラッシュの影響を受けて育った舩木さんは清里開拓の歴史を後世に残したいと萌木の村のあちこちにジョンディアのトラクターが置かれていまして、これがまたスミザーさんのお庭の中に自然に溶け込んでいるのです。

 

舩木さんが「清里に文化を作る」と始めたフィールドバレエは今年29回を迎えます。

「雨の日や台風に見舞われることもあって、フィールドバレエは人生そのもの」と笑う舩木さんの原点はポール・ラッシュ博士の精神「Do your best and it must be first class」(最善をつくせ、しかも一流であれ)なのです。

萌木の村でスーパーマンのTシャツを着た人を見かけたら、それが舩木さんです。

                                                            (S47文 小林良子)