会員便り

2019年02月08日 信州上田四季彩祭

信州上田四季彩祭 その11 「上田おもしろ人物伝 相方」

年の瀬は何となく慌ただしく、年が明けたらゆっくりしようと思ったものの、早いものでもう立春を迎えました。こんな風に今年も過ぎていくのでしょうか。
47年度卒業の私たちは今年「めでたく?」古希を迎えます。気持ちは学生時代のままなのですが、鏡に映る姿はやはり歳相応。それでも積み重ねた歳を楽しみながら今年も過ごしていきたいと思います。

毎年一月七日には上田市内の呉服店「ゆたかや」で恒例の七草の会が開かれます。この催は県内でも珍しく、毎年報道各社が取材に訪れます。というのも呉服店主催ということで、殆どの参加者が和装。何ともお正月らしい雰囲気に包まれるのです。
そして更に絵になるのが小宮山宗輝さんの「七草はやし」です。七草の行事は各地で行われていますが、彼のような演出で七草はやしの儀式を執り行えるのは貴重とのことで、最近では県外からの参加者も増えています。
小宮山さんが「七草叩く、七草なずな、唐土の鳥が日本の国へ渡らぬ先に」と囃子ながら7つの道具で7回ずつ七草をトントコトンと叩いて刻んでいきます。清めた七草はその後お粥にして参加者に振る舞われます。小宮山宗輝さんには色んな顔があります。学生時代は落語研究会に属し、日本舞踊では、本人曰く「若かりし頃は上田の玉三郎と呼ばれた」とか。また江戸千家の茶道でも有名な方で、地芝居「真田歌舞伎」の指導、郷土史研究家などなど・・・実はこの人、益子輝之という本名で私と一緒にSBCラジオ「上田ぶらり散歩」を放送している「相方」なのです。

益子さんのユニークさ?魅力は多々ありますが、40年以上も洋服を着たことがありません。当然靴も履いたことがないのです。冬の菅平高原や太郎山登山の取材に行った時も着物に下駄履き。
上田の街で着物姿の男性を見かけたらほぼ90パーセント以上の確率で益子さんです。ご自宅は築180年以上という古民家で以前は商家だったとのことです。

 

そんな訳で石坂浩二さん主演の映画「犬上家の一族」では弁護士事務所としてロケに使われたこともあります。若かりし頃は上田市役所観光課に勤務していましたが、当時もユニークな観光課の職員として目に留まったそうでサザエさんの漫画にも登場しました。
確かに漫画のキャラクターとしても面白いかも知れません。着物を着て古民家に暮らしているだけではなく、益子さんの日々の生活から、四季折々の美しい日本の暮らしや風習を学ばせて頂くことも多くあります。
そんな益子さんの人柄と豊富な知識に助けられてSBCラジオ「上田ぶらり散歩」は12年目を迎えます。(小林良子S47文)