会員便り

2019年04月06日 信州上田四季彩祭

信州上田四季彩祭 その12 「プレクストーク」

新元号も決まり、上田城の桜も開花を始めて、新しい時代と季節の幕開けは気持ちも前向きにさせてくれます。
それに加えて先月白内障の手術をしたのですが、なんと明るいこと。
噂には聞いていたのですが、世の中の景色はこんなにも明るく鮮やかだったのかと思うほどです。

その白内障の手術をしようという矢先に「プレクストーク」という盲人用のポータブルレコーダーに「長野市障碍者福祉サービスガイド」を録音してほしいと知人から依頼されました。

今点字図書館ではカセットテープを廃止して全ての録音図書をデイジー化する作業をしています。そしてデイジー形式での録音がきちっとできるのが「プレクストーク・ポータブルレコーダー」なのです。プレクストークは簡単に録音ができることに加えて高機能の編集ができます。また様々な機種があり用途によって使い分けることもできます。
盲人用だけではなく「プレクストークプロデューサー」はハイライト表示と音声でどこを読んでいるのかが分り、ふりがなや音で確認できるなどの特徴があり、読むことに困難のある子供たちの学習を支援しています。
こういった機器が様々な困難を持つ人たちの生活や学習を大きく支援していることは嬉しいことです
因みにプレクストークを開発しているシナノケンシ(株)の本社は上田市上丸子にあります。

プレクストークでの録音は、とても活字を読める状態ではないと一度はお断りしたものの、録音作業は長野市から知的障碍者作業所へ委託され、通所されている皆さんの工賃の一部にもなるとのことで、お役に立てばと引き受けることにしたのですが、これが私には大変な作業でした。

まずプレクストークの使い方が分らず、説明書を読んで何とか録音できるようになったのですが、慣れてみるとこれが優れ物で、全て音声で「電源が入りました」「録音開始」などと教えてくれるのです。
この「長野市障碍者福祉サービスガイド」の内容は相談窓口、福祉施設 地区役員等々の名称 住所 電話番号 FAX。またゴミの分別方法、指定難病一覧などです。

次に困ったのが地名です。地元の皆さんには馴染みのある地名でも私たち市外の者にとっては何と読んでいいのか・・・  杭瀬下(くいせけ)氷鉋(ひがの)野高場(のたかば)また「上野」と書いて(うえの、うわの、こうずけ)など地域によって読み方が違います。
長野市内では「うわの」と読みます。
幸いなことに今はインターネットで読み方を検索できますが、更に困るのがその土地の人たちが馴染んできた独特のイントネーションです。これは地元の人に確認するしかありません。
そしてオシャレな事業所名やグループホーム名のなんと多いこと。「何と読めばいいの?“ひらがな”にしておいてくれれば良かったのに」と幾度思ったことか。

極め付けは指定難病一覧。この読み方もネットで調べたものの、録音を聞いた盲人の皆さんは理解できるのだろうかと思いながらも課題は次に残してひたすら文字を追っていくのみ。

目はショボショボするし「白内障の私に頼むなんてやっぱり間違ってる」などとブツクサ言いながらも漸く読み終えました。
とはいえ学ぶことも多く良い経験でした。

読み終えて気付いたのが  「そうだ ハズキルーペを買えばよかった」       (小林良子 S47文)