会員便り

2021年07月18日 会員あの人この人

後神進史氏(H18院自然博卒・ボート部)第71回全日本社会人選手権大会男子シングルスカル(40歳以上)部門で優勝

後神進史氏(H18院自然博卒)が、先月末に開催されたボート競技の第71回全日本社会人選手権大会に出場され、男子シングルスカル(40歳以上)部門で優勝されました。今年で40代日本一を5連覇です。

https://www.jara.or.jp/report/2021/2021_society.html

 

 

 

=後神さんからコメントをいただきました=

ちょうど東京オリンピックが開催中という事もあり、ボート競技について少々紹介します。
日本からは男子シングルスカル、女子軽量級ダブルスカルが出場しています。

ボート競技 -Rowing- は細長い艇に1~8人が乗り組んで、オールを使って後ろ向きに漕ぎ、2000mの速さを競うスポーツです。よく間違われるカヌーは前向きに進みます。

公園の池に浮かんでいる手漕ぎボートと同じく、手に持ったオールを漕いで進むというビジュアルから上半身の力を競っていると思われがちですが、ボート競技の推進力は主に下半身から生み出しています。

艇に固定された靴に足を入れ、レールの上をタイヤで前後にスライドできるシートに腰を下ろし、靴を基点に脚の屈伸運動を行う事で漕手は艇の上を前後に動ける様になり、要は横向きにスクワットをしながら、その脚力をオールに伝えて推進力に変えています。

そうやって重たい水の抵抗に打ち勝って艇を加速させるパワーが必要ですが、それ以上に2000mのレース距離を漕ぎ通す持久力(レース時間6~9分の間にスクワットを220~250回ほど繰り返す。)が最重要となる競技なので、トレーニングの大半は高い出力を長時間維持する持久力の養成に充てられ、包み隠さず言うと拷問みたいな競技です。

それに加えて、不安定な艇の上で(初心者は頻繁に転覆します。)オールという道具を介して身体出力を艇の速度に変換するには、かなり繊細な技術も要求されますが、トップ選手は無駄のない動きで力強くも優雅に漕ぎます。もちろん漕いでいる当人はぶっ倒れる寸前まで死力を尽くしていますが。

そんなボート競技はヨーロッパでは伝統のある人気競技である一方で、日本ではまだまだマイナー競技の1つであり、オリンピックでもテレビ中継はされずにネット配信のみですが、近年ではドローンを使った臨場感の高い空撮映像も提供されていますので、この機に一度ご覧ください。

https://sports.nhk.or.jp/olympic/sports/rowing/

【プロフィール】
 平成12年 甲南大学 理学部 物理学科卒
 平成18年 甲南大学大学院 自然科学研究科 物理学専攻 博士後期課程修了
ボート歴
 平成8~12年  甲南大学漕艇部所属(マネージャー)
 平成12~14年 兵庫大学漕艇部活動支援 → 兵庫大OB会名誉会員
 平成16~19年 甲南大学漕艇部コーチ
 平成20~22年 茨城大学漕艇部活動支援 → 茨城大OB会特別会員
 平成22~23年 北海道大学漕艇部コーチ → 北大OB会特別会員
 平成23年~  茨城大学漕艇部活動支援、マスターズ漕手※
戦績
 全日本社会人選手権大会  男子シングルスカル(40歳以上)5連覇中
 関西選手権競漕大会    男子シングルスカル(40歳以上)3連覇中
 全日本マスターズレガッタ 男子シングルスカル(36~42歳、43~49歳)通算5連覇中
 
※マスターズ漕手:年齢カテゴリーのあるレースでの勝利を目指す選手