会員便り

2023年06月02日 会員あの人この人

大倉源次郎氏(56文卒)令和5年6月公演のご案内

大倉源次郎さんから、東京甲南会の皆様へ能楽鑑賞炯の会へのご案内です。

S56卒業の大倉源次郎が所属する一般社団法人 東京能楽囃子科協議会の令和5年度定期公演に能楽初心者の皆様をご案内させて頂きます。

■令和5年6月14日(水)18時開演 於 国立能楽堂
金剛流舞囃子『絵馬』 

天照大神 金剛龍謹 天鈿女 広田幸稔 手力男 豊嶋晃嗣
現代では絵馬は願い事を色々と書いて奉納していますが、昔神社では雨の降らない年には黒い馬を、雨が続く時には白い馬を奉納し天候祈願していました。
また、古代では天照大神を男神として祀って居ました。古代の日本がパッケージされたこの能は後半に天岩戸隠れの神事を演じます。
舞囃子は能のクライマックスを面装束を付けずに演じます。

観世流舞囃子『恋重荷』 老人の霊 武田志房
老楽の恋は周りのものをハラハラとさせます。こともあろうに菊職人として雇われた老人がそのお屋敷のお嬢様に一目惚れしてしまう事から起こった事件を
元に創作された能です。
お嬢様を一眼見たいと願う老人に、荷物を持って庭を回ればお嬢様は姿を表すと嘘を伝え持つことの叶わない重い荷物を用意します。老人は持とうとしても
持てない荷物に馬鹿にされたと池に入水自殺をしてしまいます。
その話を報告されたお嬢様は流石に哀れに思い弔うと老人は鬼になって現れ恨みを述べるのですが最後は守護霊になると言い残して姿を消します。
予想外の展開、老人の苦しみと悲しみ、そして執念。素晴らしい劇構成の中で物語は展開します。

狂言『禰宜山伏』 
大藏彌太郎他
伊勢の禰宜と山伏がとある茶屋で出会った事で起こった事件。
山伏が茶屋に横柄な態度を取る事を諌めた禰宜が問答になります。
茶屋は大黒天様を持ち出して仲裁をしますが・・・・
いくら信心を有しても心が育っていなければ簡単に聖者にはなれない世界が描かれます。
これらを当時の宗教者がご覧になったときにどんな顔をされたのでしょう😅

一調『鳥追船』 謡 坂井音隆 小鼓 曽和正博 
一調とは鼓一人、謡一人で演奏する。常の演奏とは違い特殊な奏法を用いるので能1番に匹敵するとして重く扱われます。
主人の留守に生活のためとはいえ下人と共に水田に群がる鳥を追い妻は子を育てていました。船にのり鳥を追う美しい姿が水田に広がります。

能『通小町』シテ深草少将 観世恭秀 小野小町 清水義也
絶世の美女と伝わる小野小町ですが能の中では扱われているのは少し皮肉な曲ばかりです。
この能も旅僧の前に若菜摘みの女(小町の霊)が現れ供養を頼み姿を消すと素直に僧は懇ろに弔います。するとそれに着いて出てくるのが百夜通いをした
深草の少将の霊、即ち叶わぬ恋に憤死した男の霊。
二人して男女の出会いの苦しみを僧の前で懺悔してみせる能です。
刻々と時刻が移ろい色彩が変化するように心が移ろっていく様が演じられて唐突に二人は成仏してしまいます。そのオチは・・・・
皆様、その目と耳で確かめてください・・・・
ええ!!!本当?っとなります😅

囃子科協議会の演能は年4回、囃子方は各流儀のお相手をさせて頂きますので主催公演ではシテ方5流を順次ご紹介させて頂く形でプログラムが組まれ
年間4回の公演で様々な組み合わせの能楽をご覧頂けます。
お稽古をされている方はご自分の流儀の特色を知りまた、お稽古をされて居ない方は各流儀の違いを知ることで同じ作品を視座を変えて楽しむことが
可能になります。

定期能公演開演前のひと時を鑑賞の道しるべとして初心者限定ですが能楽鑑賞炯の会、ワンポイント講座を設けております。
奮ってご参加のお問い合わせ頂けますようご案内申し上げます。

<令和五年>
6月14日(水)午後5時10分〜5時40分事前講座・午後6時開演
9月13日(水)午後5時10分〜5時40分事前講座・午後6時開演
12月13日(水)午後0時30分〜1時10分事前講座・午後1時30分開演
<令和六年>
3月13日(水)午後0時30分〜1時10分事前講座・午後1時30分開演
チケット代金A席七千円
 事前講座は無料です。
 ※講座への参加希望の方、お問い合わせは、東京甲南会までお願いいたします。
  ご担当者様へおつなぎいたします。

会場:国立能楽堂
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷4−18−1(03−3423−1331代表)


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