行事報告

2017年01月14日 定例行事

新春寮歌祭イン甲南参加報告「あゝ懐旧の花散りて・・・」

「それでは出発しまァす。北溟寮寮歌『世紀の嵐』、アインツバーイ、ドラーイ」

聖太は思い切り力をこめて太鼓を叩き、弘前市民が書生さんと呼ぶ弘前高等学校学生のストームの列は、校門を出て、ガラガラと下駄の音を引きずって駅へ向かった。・・・

これは、私が最近読んだ戦時中の旧制高校の寮生活を描いた小説の一説である。

1月14日(土)東京甲南会の主宰で「新春寮歌祭イン甲南」が開催された。 北は北大予科から南は台北大予科までの参加29校、参加者100名の大盛況の なか、甲南の法被まで着せてもらった私はタイムスリップして小説の一場面に 入り込んでしまったような思いだった。そこには学校のへだてなくどこの寮歌 にも参加する先輩あり、旧制高校オタク女子ありのただ純粋に唄って楽しめる お祭りがあった。

恒例とされていた『琵琶湖周航の歌』には即興で入れてもらったが、次回まで にぜひ旧制甲南高等高校『制覇行』を練習しておこうと思う。想像以上に楽し いイベントなので、参加したことのない方には是非おすすめしておきたい。

『制覇行』

いざ若人よ時は来ぬ 白城今か春行かば 制覇の剣手に取りて 臥新の夢は一年の 鮮血紅き旗のもと 男子の誓火と燃えぬ

*小説『青春の彩り~あゝ懐旧の花散りて』鈴木健二著より

 

(能宗恵子S60文)