行事報告

2017年06月12日 月例会

第514回 月例会に参加して

○ 日 時:5月13日(土)12:00~16:00
○ 場 所:甲南大学ネットワークキャンパス東京
○ 講 師:服部 正准教授
○ テーマ:「アートに捧げた人生―ヴェルフリの迫力、アール・ブリュットの魅力」

甲南大学 服部正准教授による、スイスの画家アドルフ・ヴェルフリの講演会に参加しました。

「アールブリュット」とは。生の芸術、原石のような芸術。
正規の芸術教育を受けず、自らの衝動を自由に表す人達が制作した作品。そこには模倣が全くない。

ところが、日本での現状は「障害者による芸術」となりつつあり、それは障害者の自立や療養の為という捉え方もあり、色々と複雑な事情があるようです。
「アールブリュット(仏)」=「アウトサイダーアート(英)」≠ 障害者芸術
自らの芸術の為、社会から逸脱することを厭わない、アウトサイダーたちの芸術という面もあり、アールブリュット作者が精神障害者である割合も半数はあるとのこと。

講演後に美術館で見たヴェルフリの作品は…
隙間なくびっしりと書き込まれた独特な音符と文字が、美しい模様となって引き込まれる。精神科病院に暮らしながら、行ったこともないアメリカの高級ホテルや、空想の中のアジアや日本が描かれており、どんなに願っても実現することのない夢への渇望を感じ、その思いの強さは、見た人の生き方に影響を与える力がある。
例えば   学生時代にヴェルフリの絵と出会ったことで服部先生自身の進路を変える程に。

色々な意味で考えさせられ、難しいテーマではありましたが、興味深く、その後、美術館で絵を見ながら想いを巡らせる事ができる、とってもお得な月例会でした。

(佐藤啓子H2文)